ふろしきの文様

風呂敷に表される吉祥文様

江戸時代になると、それまでの風呂敷の文様の代表である植物をモチーフとするものが、新しい展開を見せます。植物文様は季節感だけでなく、「おめでたいこと」を表すようになります。その典型が吉祥文様です。「吉祥」とは、幸い、おめでたいという意味を持っており、吉祥文様はそれらを柄で表現したものです。武家や商家では、吉祥文様の風呂敷に家紋を入れて染め、ふとんや衣類などの道具を包んだり、嫁入り道具として持参したといわれます。

現代における吉祥文様の役割

幸せを願い、おめでたいことを大切にする気持ちは現代においても変わることはありません。そのため、正月飾りや婚礼衣装に限らず、おめでたいとされるものや形、色はそれにふさわしいものが選ばれ、使用されます。風呂敷が元来、中にあるものを保護するという実用的な役割を超えて、大事な贈り物を包むものとして使用されるとき、やはり吉祥文様はふさわしい文様といえます。

本来の唐草文様の意味合い

「泥棒風呂敷」のイメージが強い唐草文様ですが、実は代表的な吉祥文様。唐草は四方八方にのびていくため、延命長寿や繁栄を表す、非常におめでたい柄です。唐草文様は、古代エジプトで生まれ、シルクロードを経て日本に伝来しました。中近東ではモスクなど神聖な建造物にも使われています。日本では、唐草文様の風呂敷が明治から昭和にかけて大量生産され、どの家庭にも必ず一枚あるものでした。そのため、忍び込んだ泥棒が盗んだものを運ぶのに利用したことから、残念ながら泥棒のイメージがついてしまいました。


 
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